クウェートで感じた言語の使い分け

クウェートで感じたことの一つに、私たちに対して使う言語が人によって異なるという事があります。 ある人はアラビア語の書き言葉(標準語=フスハー)を使い、ある人は話し言葉(口語・現地方言=アーンミーヤ)を使い、 ある人は英語を使い、ある人はほとんど日本語(笑)を使います。 また話し言葉と書き言葉の含有割合も人によって異なります。

Rさんの場合

Rさんはとても仲のいい友人です。比較的長い付き合いで、毎回いろいろと親切にしていただいています。 年齢は30代前半の男性です。

彼は私とコミュニケーションを取る時、基本英語で、たまにアラビア語の書き言葉を使います。 私の印象では、この人は本当に私たちとの会話では話し言葉を使わない。

私は正直、話し言葉で接してほしかったという気持ちもありました。 よそよそしいというか、仰々しいというか、 何より私は彼らの話し言葉を愛しているのです。 聞いているだけで楽しい。

もちろん彼は他のアラブ人と話すときは話し言葉を使います。 その言語の切り替えが生じているわけです。

クウェートに来るまで、私はフスハーを唯一のコミュニケーションアラビア語だと思い、 必死で勉強してきました。 しかし現地に来て衝撃を受け、 そこから自分の中でフスハーは後退し、方言に大きく傾いていった感覚があります。

「お前は俺よりもクウェイティだ」

Rさんはそう言って笑ってくれました。 とても人情深い人でした。

Sさんの場合

Sさんも30代男性です。 彼もかなりフスハーでした。 Rさんのように英語を多く話さないため、 フスハーの割合はさらに高かった印象があります。

Aさんの場合

Aさんも同じく30代男性。 こうして考えると、私たちはクウェートで30代くらいの友達が多かったかもしれません。 彼もかなりフスハーを使う人でした。

しかし彼らが現地の人と話すときは、 ばりばりのクウェート方言になる。 そのギャップが、私はとても好きでした。